
多汗症の中でも手のひらに汗をかく手掌多汗症は生活が困難なほどたいへんな方もいます。
人にはわかりづらいけど深刻な悩みというのが汗の問題です。
具体的な治療方法のメリットとデメリットを知っておきましょう。
手掌多汗症の治療方法は?
多汗症治療の副作用は?
手掌多汗症に塩化アルミニウムが効果?
と言った疑問にお答えしていきます。
手掌多汗症の治療方法
多汗症は病気のひとつですが、はっきりした原因というのはまだわかっていません。
同じ手掌多汗症でもどのくらいのレベルなのかによっても悩みの深さも治療方針も変わります。
あなたのレベルはどのくらいでしょうか
レベル1 手のひらがつねに湿っている
レベル2 手のひらに水滴ができる
レベル3 手のひらの水滴が滴ってしまう
このうちレベル2,3だと日常生活でも困ることや支障があるんじゃないかと思います。
専門家に見てもらって治療したほうがいいかもしれません。
治療方法としては「塩化アルミニウム」「イオントフォレーシス」「ボトックス注射」「手術」などがあります。
治療というのは軽いものから試していくのがいいので、一番手軽な塩化アルミニウムから試してみてはどうでしょう。
塩化アルミニウム
効き目は個人差があって塩化アルミニウムがものすごくよく効く人と殆ど効かない人もいます。
局所的多汗症に多く使われる治療法です。
顔には使えませんが手、足、脇などに使うことが多いです。
塩化アルミニウムは薬局で売っている商品もありますし、病院で処方してもらうこともできます。
塗るだけなので一番手軽な多汗症治療法です。
塩化アルミニウムの使い方や注意点は後述します。
イオントフォレーシス
病院で治療できる副作用の少ない治療法です。
この治療は80%の人に効果があると言われています。
水を入れた容器に微量の電流を流して、その中に手を入れます。流す電流も微弱な10mA程度のものです。
水は普通の水道水ですし、副作用がほとんどない治療方法です。
ただし継続して受けないとダメなので週にいちどは病院に通う必要があります。
どの病院にもあるわけではないので病院に機械があるかどうかを確認してください。
保険適応なので一回につき600~1000円くらいで治療が可能です。
ボトックス注射
ボトックス注射はボツリヌス菌を注射するという方法で、周りの筋肉の収縮を抑える働きがあります。
このボツリヌス菌がエクリン腺の働きを抑えるという作用があるんです。
ボトックス注射はワキへの注射だけは保険が効きますがそれ以外の場所は保険外になります。
注射をするだけなので30分もあれば充分で、入院の必要もありません。
傷跡も残らないし副作用もほぼありません。
手術
胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS手術)が一般的な多汗症の手術です。
内視鏡手術なので傷跡も小さく日帰り手術も可能です。
胸部の交感神経節を切断して汗を抑えます。
ETSは全身麻酔が必用な手術なので胸部外科や呼吸器外科などで行います。
手術を行うと手の汗はほぼ出なくなるという人が多いです。
ただし手術は高い確率で副作用が出てしまいます。後悔しないようによく考えてから決断してください。
多汗症の治療は他にも「自律神経訓練法」が効果がある人もいます。
どの治療法も効き目はそのひとによって違います。
ものすごく効く人もいれば、ほぼ効き目を感じないという人もいます。
簡単な方法から試してみて自分に合った治療を見つけてくださいね。
多汗症治療の副作用は
では手掌多汗症の治療を行ったデメリットや副作用・後遺症などはあるのでしょうか?
・塩化アルミニウム
塩化アルミニウムは肌が弱い人には「かぶれ」「かゆみ」「ただれ」などが出ることがあります。
強い薬品なのでもしこういった症状が出てしまったら、いったん使用を中止して回復してからまた使ってください。
・イオンフォレーシス
副作用は殆どありませんが、ごくまれにかゆみや湿疹などが出る方もいるようです。
継続的に毎週治療に通うことが必用なので通院する時間が取れない方には向きません。
妊婦さんや身体にペースメーカーや金属が入っている人は受けることができません。
家庭用治療器もありますがは高価なので病院で受けて効果があるようなら購入を検討してみると良いかもしれません。
・ボトックス注射
ワキ治療以外は保険が効きませんので手掌多汗症の場合は自費治療になります。
費用は病院によって違いますが5万円から15万円くらいです。
高価なのがデメリットですね。
さらにボトックスは一度打てば効果が継続するわけではありません。
個人差は有りますが4ヶ月から1年で効果はなくなります。
手に打つボトックス注射は痛みがかなり大きいです。
・手術
胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS手術)は自律神経を切断する方法とクリップで止める方法とがあります。
ETS手術を受けると手掌多汗症は良くなる人は多いです・・・がほとんどのひとは違った副作用に悩むことになるようです。
それが代償性発汗です。
つまり手のひらの汗を止める代わりに他のところの汗がひどくなるという状態です。
手汗が止まれば他のところの汗がでてもかまわないと考えてしまうかもしれませんが、もしかしたら今までよりもっと困った状態になる可能性もあるわけです。
大抵は胸から下の部分に汗をかくので背中、お腹、おしり、太ももなどの汗がひどくなります。
おしりと太ももの汗がひどくなってしまうと、座るたびにパンツやスカートがびっしょりに濡れてしまいます。
座るだけで椅子もびっしょりという状態になってかなり困りますよね、失禁と間違われそうです・・・
実際に知っている人は一日に3回Tシャツを着替えています。
背中やお腹の汗がひどくてTシャツが絞れるくらいなので、出勤後と仕事中に1回、退勤前にも着替えてるんだそうです。
ちなみに事務仕事をしている人ですが、大変みたいです。
手術の費用は保険適応で10万円程度です。
また、手術しても再発する可能性もあります。
手術は他の方法を試してもダメな場合の最終手段として考えたほうが良いかもしれません。
手掌多汗症に塩化アルミニウムの効果
多汗症の治療で一番手軽に行えてそこそこ効果があるのが「塩化アルミニウム」だと思います。
ドラッグストアで手に入る医薬部外品として「オドレミン」「テノール液」などがあります。
病院では「塩化アルミニウム水溶液」を処方してもらえます。
塩化アルミニウムはきちんと使えばある程度の継続性があります。
長く塗っていると汗の産生を抑えることもできるので、長期にわたって使い続ければ日常生活もかなり楽になるのではないでしょうか。
最初だけ効き目がなかなか出ませんが、そのあとは毎日使わなくても大丈夫になります。
塩化アルミニウムは塗ったあとにしっかり浸透させることが大事なので、お風呂あがりの乾いた肌に塗ってください。
夜寝る前に手のひらに塗って手袋をして寝るといいでしょう。
朝起きたら手をしっかり洗ってください。
どうしても汗で流れてしまうという人は布手袋の手のひら部分に液を染み込ませて手袋をしてそのうえからゴム手袋する方法もあります。
しばらくそのままにして浸透させるといいでしょう。
一番最初は効果が出るまで毎日つけてください。個人差がありますので2~3日で効き目が出る人もいますし1ヶ月近く掛かる人もいます。
効き目が現れたら3~7日くらい保つので効き目が切れそうになったらまた塗るようにしてください。
毎日塗ると肌が荒れることがあるので回数は少ないほうが安心です。
塩化アルミニウムは人によってかぶれや赤みがでてしまうことがあります。皮膚が弱い人は濃度薄めから試してみてください。
通常では濃度20%で使用しますが、薄くても効く人には効きます。
根本的な治療ではありませんが手軽で誰でもできる方法がこの塩化アルミニウムを使った治療方法です。
まずはこの方法を試してみてはどうでしょうか。
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まとめ
人口の4%の人は多汗症なんだそうです、意外に多いですね。
手掌多汗症の治療方法は人によって効き目が違うので、簡単手軽な方法から試していって自分に合う方法を見つけてくださいね。
少しでも快適な生活が送れるといいですね。